朝起きた時からカラダが疲れている…なんて感じる方は少なくないみたいで2019年に20歳以上の男女1000人に行ったアンケートでは43.2%の人が「日常生活の中で最も疲れを感じるシーン」の中で「朝起きた時」と答えていました。【株式会社ネオマーケティング調査)】
睡眠で疲労はとれるはず…なのにもっと疲れが出ていそうな「仕事から帰宅する時(2位38.7%)」や「夜寝る前(3位38.1%)」を抜いて堂々のトップでした。そんな睡眠でもなかなか解消しない疲労の原因と解決法について書いていこうと思います。
目次
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疲労と疲労感の違い
疲労と疲労感って同じじゃないの?と思われる方も多いと思いますが、疲れたと感じる疲労感と実際の疲労は別物です。通常ならば疲労の予備段階として疲労感を感じて疲労の予防や備えをするのですが、動物の中でも前頭葉が発達した人間だけは疲労感を使命感やモチベーションで隠すことができます。
動物は疲労感を感じたらその感覚に従いそれ以上の仕事をすることはしませんが、人間はやりがいや達成感といったモチベーションによって簡単に疲労感にマスクをしてしまいます。
「疲労」は「痛み」や「発熱」に並ぶカラダの発する3大アラームです。痛みがあったら無理に動かさないし、発熱があったら動かず安静にすると思いますが疲労は痛みによる腫れや内出血、発熱による体温計の上昇とちがって見た目に分かりにくいのですが放っておくと「過労死」という言葉があるように生命にも影響をおよぼしてしまいます。
疲労感はそんな厄介な疲労を知らせてくれる大事なお知らです。郵便物がいっぱいたまったポストのような状態でお知らせを見ないふりをしているとカラダにとって大変危険な状態を招いてしまいます。
疲労の正体とは
疲れをもたらすもの
疲労は何によってもたらされているのかというと、それは活性酸素です。人は何かの活動をした際に細胞でエネルギーを作り出すのですが、その際には大量の酸素が使われます。そのエネルギーを作り出す過程での副産物として発生するのが活性酸素です。
活性酸素は強力な酸化作用をもち、カラダに侵入した外敵をやっつけてくれる働きを持っていますがその反面、自分自身の細胞に対しても強力な酸化作用を発揮して細胞を酸化させ、傷をつけてしまいます。
人は呼吸をする時に酸素を取り入れ、その一部は活性酸素へと姿を変えます。この流れは人が生きている以上は避けられません。
でも人の体内システムには活性酸素を減らしたり無毒化する働きがあるので、処理しきれないほどの活性酸素を溜め込まない限りは人の活動に影響が起きることはありませんが、徹夜仕事、激しい運動、ストレスの蓄積などで体内で処理できないほどの活性酸素が発生してしまうと細胞を傷つけて細胞の機能低下…つまり疲労に繋がっていきます。
疲労と回復のメカニズム
疲労の発生するメカニズムを順番にすると
- カラダに負荷がかかる
- 細胞は大量の酸素を必要とする
- 大量の活性酸素が発生
- 活性酸素が細胞を酸化させたり傷つけたりする
- 傷ついた細胞から疲労因子FFが発生する→(同時に疲労回復因子FRも発生する)
- 脳への疲労シグナルが出る
という順番になります。なんかこう書くと息をしているだけで疲労が溜まってしまう気がしますが、もちろんそんなことはなく活性酸素が細胞を傷つけた時に発生する疲労因子FFが体内で増えるとそれに反応するように体内に疲労回復因子FRが出てきて疲労因子FFを抑制してくれます。
潮の満ち引きみたいに疲労因子か満ちると疲労回復因子が引かせてくれる…。自然なカラダの状態ではそんな風に疲労が溜まりっぱなしにはならないようになっています。カラダの仕組みって凄いですよね。
疲労の解決法とは
疲労の回復、軽減には
栄養ドリンクや焼肉やウナギなどのスタミナ食は疲労感にマスクをする効果はあっても、疲労の回復には効果が望めません。疲労の回復、軽減には
- 睡眠
- 食事(抗疲労成分)
- 軽い運動
- 入浴
- 気分転換
が実際に疲労を回復、軽減してくれます。特に睡眠、食事は細胞の修復、抗疲労に直接関係します。睡眠中に細胞は修復されますし、
軽い運動、入浴、気分転換は直接疲労の軽減には関係しませんが、疲労因子を減らしたり副交感神経を活性化させリラックスすることで疲労の軽減に役立ちます。
疲労感のセンサーをあげる
私見ですが…実際に疲労が起きてしまってからよりも、疲労「感」を早い段階で感じ取って手を打って疲労を防げば何よりの予防、解決になると思っています。疲労感を早い段階で感じ取るためには日ごろから疲労感に対するセンサーを敏感にしておく必要があります。
疲労感に対するセンサーを上げるためには日ごろからカラダの状態を比較することを習慣付けておくことが大事です。ストレッチや運動の前後で、カラダの伸び縮み具合や重たさを比較する習慣をつけておくことでセンサーは磨かれていきます。
ご自身で疲労を感じていなくても、いつもと同じようなストレッチをした際の微妙な筋肉の伸び具合の悪さなどは隠れ疲労のサインとして表れます。こうしたカラダの発する微妙なサインを早め早めに受け取ることが疲労自体の予防にも繋がっていきます。
まとめ
疲労の正体は活性酸素と呼ばれる細胞が活動した際に生じる副産物の影響で起きますが、溜めすぎなければ疲労回復因子が取り除いてくれるので心配することはありません。
疲労回復因子は疲労因子が溜まることで発生するので、そのために適度な運動で心地よいくらいの疲労を起こすのは疲労を防ぐ意味でも効果があります。…あくまで「適度な」運動になりますが笑
そして細胞の修復、回復には睡眠が特効薬になり食事では抗疲労効果が得られます。結局腹八分でバランスよく食べてよく寝るということが大事ということになりますね(笑)
何かの参考になりましたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!
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