すっかり春めいてきました。新しいことを始めるのにはうってつけのシーズンですよね。新年度からジムに入会して筋トレして痩せるぞ!という方もいらっしゃると思います。
水をさすわけではないのですが(笑)「筋トレ=痩せる」「筋肉をつける=痩せやすくなる」と筋肉至上主義や筋トレ神話は正しいのか?いろいろ調べてみました。
目次
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基礎代謝における筋肉の割合はどれくらい?
基礎代謝の構成比率は
基礎代謝に占める筋肉の比率はどれくらいかというと…。
全身 | 100% |
骨格筋 | 22% |
脂肪組織 | 4% |
肝臓 | 21% |
脳 | 20% |
心臓 | 9% |
腎臓 | 8% |
その他 | 16% |
引用元:厚生労働省e-ヘルスネット
おおよそ20%強ほどになります。あれ?意外に少ないな~という印象でしょうか。筋肉だけにフォーカスして基礎代謝を上げようとするよりは、残りの78%の部分に気をつかった方が効率が良いのが数字的に分かると思います。
そもそもで筋肉って1kg増えても基礎代謝は1日当たり40㎏cカロリーくらいしか上がりません。そして筋肉を1kgつけるのには週に200分くらいのハードワークを2~3カ月くらい続けないといけません。基礎代謝を筋肉だけで上げようとするのはなかなか茨の道になります。
基礎代謝の計測
基礎代謝の計測はCO²(二酸化炭素)の排出量とO²(酸素)の消費量で評価されます。呼吸をしたり食べたものを消化したり体内の自動作業の稼働率がしっかりと回っていれば、体内のO²が多く消費されCO²が多く排出されます。こういう状態が基礎代謝が高いカラダが回っている状態なので筋肉の量がかかわる要素ってあまり多くないんですよね。
基礎代謝の表示がついた体脂肪計もありますが、あくまで目安として考えましょう。自分のカラダの状態をよく観察してカラダの伸び縮みの状態やお腹の張り具合などを指標に観察をしてみましょう。
筋肉がつく仕組みとは
- トレーニングで筋肉が傷つく
- 栄養補給と休養
- 超回復で筋肉が以前よりも肥大する
すごく簡単に言うとこのサイクルで筋肉がつく(筋肥大する)のですが、この時のトレーニング後の栄養補給が痩せるためにはやっかいなものでして…。
筋肉が増えるためにはまず「タンパク質」が体重×1・5~2倍グラム必要で、体重60㎏の人なら90~120gのタンパク質が必要になるので鶏の胸肉500~600g…飽きるし、それだけでお腹いっぱいになりますね。プラスして「炭水化物」を摂取しないとインスリンが分泌されずに体内にタンパク質を効率よく取り込めません。「炭水化物」は体重×4~6倍グラム必要なので体重60kgの人だと240~360gの炭水化物なので具がないおにぎり6~9個分になります。
もちろんそれ以外のビタミンやミネラルも必要なので、オーバーカロリーで太るんですよね。オーバーカロリー分が100%筋肉になることは原則なくてそのうちの何割かは脂肪になってしまうので「筋肉をつける=痩せる」ということは基本的に矛盾しちゃいます。
筋肉以外の代謝をあげる要素
人間の行う3つの代謝
基礎代謝以外にも人間が行う主要の3つの代謝として
- 基礎代謝(60~70%)
- 生活活動代謝(20~30%)
- 食事誘発性熱産生(10%)
があります。つまり筋肉の占める代謝全体の割合って60%のうちの20%なので12%ちょいなんですね。どちらかというと筋肉がついたことにより階段を使うようになったりと、生活活動が活発になることでの代謝の上昇のほうが影響は大きいようです。
筋肉つけるだけつけてあとは寝ているだけ…なんて生活だと代謝の向上は望めませんからね(笑)
まとめ
筋肉をつけながら痩せるには
筋トレ初心者の方はトレーニングで新しい刺激がカラダに加わることで筋肉がつきながら脂肪も減っていくビギナーズマッスルというご祝儀的な素晴らしい現象が起きることもありますが、残念ながら3カ月もするとカラダが慣れてしまうので長続きはしません。
ボディビルを競技でやっている方達は筋肉をつける時は筋肉以外の脂肪も同時につけて体重も増やしながら筋肥大をして、コンテストの時には多少筋肉を減らしながら脂肪を落として体重を減らすという2ステップで素晴らしいカラダに仕上げています。一般の生活を送っているにはなかなかマネできませんよね。
筋肉をたくさんつけて基礎代謝をあげてダイエットをしましょう!というのはよく聞こえるフレーズだし、なるほど…と思ってしまいますが実際には筋肉をつけるためには栄養素をたくさん摂る必要があるのでオーバーカロリーになりますし、痩せるのとはまた別の手順なんですよね。
結局効率良いのは
筋肉を本格的につけるのは思っている以上に大変な作業ですし、痩せることには直結しません。
筋肉を頑張ってつけて基礎代謝を上げるよりは、残りの88%の割合を占めている内臓代謝、活動代謝に重点を置いた方が代謝は上がりますし、結果的に痩せやすくなります。まとめると…
- 筋肉が占める代謝全体の中での割合は多くない
- 筋肉量を増やすには相応のカロリーが必要
- 筋肉量が多くなくても内臓代謝や活動代謝で代謝の高いカラダは作れる
疲れにくい筋バランスのいいカラダのためにある程度の筋トレは必要ですが、痩せる目的ではハードな筋トレは裏目に出やすいです。
どんなに筋肉をつけても食べ過ぎ、疲労のたまり過ぎ、寝不足などで体内の自動作業の稼働率が下がってしまえば基礎代謝は下がりますし、筋肉の少ない人でもちょうど良い食事、疲労が抜けている、睡眠バッチリの状態で体内の自動作業の稼働率が上がっていれば基礎代謝は上がってきダイエットにも有利に働きます。
何かの参考になりましたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!
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