食事をおさえても運動をしてもなかなか痩せない…。そういえばウチは両親も兄弟も太っているし、これは遺伝のせい?よし!ダイエットあきらめよう。。
なんて方もいらっしゃるかもしれませんが…。実際に太りやすい、痩せやすいは生まれつきの遺伝が関係しているのでしょうか?もし関係していたら太りやすい遺伝の方はダイエットをあきらめるしかないのでしょうか?今回はダイエットと遺伝の関係についてお話していきます。
目次
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遺伝の影響
はじめに結論を言いますと、肥満関連遺伝子というものはあります。正確には遺伝子の変異が肥満の要因になるようです。この遺伝子の変異により基礎代謝に影響が出るそうです。平均的な日本人の男性の基礎代謝が男性で1500kcal、女性で1200kcalと言われていますが、その基礎代謝がこの遺伝子変異により1日に100~200kcalほど下がってしまうそうです。
肥満遺伝子のタイプ
肥満に関わる遺伝子はどの遺伝子に変異があるかによって太る要因が違います。
糖質の代謝が苦手なタイプ
β3ARという遺伝子に変異があるタイプの方は糖質の代謝が苦手で糖分を筋肉に取りこむインスリンの働きが弱いため余った糖が内臓脂肪として蓄積されやすく、ウエスト周りから太ります。基礎代謝が1日に200kcalほど低く、糖尿病、脂肪肝、高脂血症になりやすいです。
この遺伝子に変異がある方はリンゴ型の体型になりやすくなります。
脂質の代謝が苦手なタイプ
UCP1という遺伝子に変異があるタイプの方は脂質の代謝が苦手で脂質を摂りすぎると太りやすく皮下脂肪が付きやすく、下半身に皮下脂肪が蓄積されやすくお尻や太ももから太ります。基礎代謝が100kcalほど低く、がんや女性は子宮関係の病気になりやすいです。
この遺伝子に変異がある方は洋ナシ型の体型になりやすくなります。
筋肉が付きにくいタイプ
β2ARという遺伝子に変異のあるタイプの方はタンパク質を早く消費してしまい、筋肉が付きにくくほっそりとしています。このタイプの方は羨ましいことに基礎代謝が200calほど高い逆肥満遺伝子を保有しています。しかし一度太ると大変痩せにくくまた心臓病、うつ病、低血圧に注意が必要です。
この遺伝子に変異がある方はバナナ型の体型になりやすくなります。
肥満に関する遺伝子異常の全体の割合
遺伝子に変異があるというとなんかとんでもない異常がある感じがしています。しかし肥満に関係する遺伝子は50種類以上あると言われており、そのいずれかに変異がある人は97%以上であると言われています。ほぼほぼ全員がなんらかの遺伝子変異を持っているので深刻に考える必要はないですね。
参照:Obesity Gene Map Database「肥満に関与する分子の包括的地図」記載より
太りやすい人が痩せるには
生まれつき代謝しにくい栄養素があったり、基礎代謝が低いんじゃあ痩せるなんてもう無理でしょ…。と心が折れそうになってしまいますが、97%の人が肥満に関する遺伝子の異常を持っているのに対して実際に肥満の人は男性が3割、女性が2割程度です。
あんまり遺伝子の関係する割合って強くないですよね。遺伝の影響は確かにあるけれどそれをダイエットの言い訳にはできないみたいです(笑)では太りやすい遺伝子の持ち主がどうやって痩せればいいのかといいますと…。
苦手な代謝の栄養素を減らす
脂質、糖質、タンパク質の栄養素のなかで苦手な栄養素の摂取割合を減らすことで内蔵の稼働率を高めて基礎代謝の向上をはかります。自分がどの栄養素の代謝が苦手なのか分からない…という方がほとんどだと思いますが、検査して調べたい方も大掛かりな検査は必要なく唾液から簡単にチェックできる簡単なセットもあるそうです。
ご自身で調べるとしても
- タンパク質が多めの(または少ない)食事の次の日の体重の推移をみる
- 脂質が多めの(または少ない)食事の次の日の体重の推移をみる
- 糖質が多めの(または少ない)食事の次の日の体重の推移をみる
こんな感じで同じくらいのカロリーの中で食事の割合だけを変えてみて(お肉多め、油もの多め、ご飯多など)タンパク質、脂質、糖質とどの栄養素が一番体重に反映されやすいかを実験することで自分の苦手な代謝の栄養素を知ることができます。体重という数値で結果が反映されるとしっくりきやすいですからね。
運動をする
やっぱり1番の特効薬になるのは運動なようです。2万人規模で行われた大規模な肥満遺伝子と運動との相関関係を調べた調査でも1日に30分~60分程度の運動(ウォーキングやレクリエーションまたは立ち仕事でも可)をする人は遺伝の素養を打ち負かして痩せる傾向にあるという結果が出ています。
つまり…遺伝的に太りやすくても立ち仕事をしているだでむしろ痩せるグループに入る傾向にあるということになります。運動目安の1日30~60分というのは週平均なので、週末にまとめて運動をしてもOKです。
まとめ
生まれつき痩せにくい遺伝子を持っていると聞かされると「もう一生痩せれないのでは…」とネガティブになってしまいますが、日常生活に運動を取り入れるだけで簡単に遺伝的な素因を打ち負かすことが出来ます。それに加えて自分の苦手な代謝の栄養素を把握して食事を組み立てることで、同じカロリーや食事量でも栄養素のバランスを変えるだけで代謝を上げることが出来ます。
つまり【遺伝的な要因<日常生活の運動や食事の組み立て】ということが言えますので痩せにくい遺伝子を持って生まれたとしても全く諦める必要なんてありません!
何かの参考になりましたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!
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