怪我をしたから、肩こりがあるから、なんか安心するから、様々な理由で湿布を使う方が多いです。病院でも処方していますしね。手軽に使えるので使用率の高い湿布ですが「本当に聞いているのかな?」と思いつつ使っている方も少なくないと思います。
今回は湿布に効果と意外と知らない副作用、それらを踏まえた上での効果的な使い方についたお話ししていこうと思います。
目次
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湿布の効果とは
そもそも湿布とはですが、「ある程度の水分を含んだ湿った布」のことを言います。要するに湿った布です。はい。
水分が多いため薬効成分が効率的に浸透し長時間の保持にも役に立つ。古くには馬肉のスライスが打ち身に効くとして用いられていたそうです。マジか…。。基本的には練った生薬を布に塗布して使っていたそうです。
湿布の役割
そんな湿布の役割ですが
- 皮膚や汗腺のスキマから湿布の成分が浸みこむ
- 筋肉、神経へ送られる酵素の量が減る
- 酵素の量が減ることで痛みのモトになるプロスタグランジンが作られにくくなる
この湿布の作用で作られにくくなるプロスタグランジンというのは血管拡張、発痛増強の作用があります。つまり湿布の成分が浸み込むことで血管を収縮させ発痛物質の発生をおさえる、という役割が湿布にはあります。
湿布の副作用
血流への影響
湿布の効果が血管を収縮させ発痛物質の発生をおさえる。ということで勘のいい方はピンときたかもしれませんが血管の収縮→血流が悪くなる→疲労物質や老廃物が蓄積する。という負の流れが出来てしまいます。
炎症には傷んだ患部に血管を拡張させ大量の血液を送り酸素と栄養をおくり回復を促進させる作用があります。その副産物として発痛物質もおいていくのですが、副産物としての発痛物質をおさえる代わりに本来の回復作用もおさえてしまうんですね。
痛みは最優先に無くしたい症状ですし、痛みによる弊害はいろいろとあるので痛みをおさえることに意味はもちろんあるのですが、痛みがおさまるからとずっと使い続けていると回復の遅れや慢性痛を引き起こしやすいといったデメリットが湿布にはあります。
感覚への影響
湿布の効果により痛みを感じにくくなったわけですが、損傷した患部が治ったわけではありません。つまり痛みを感じにくくなっているためについつい無理をしてしまい、傷んでいる箇所が警告している可動域の制限や運動量の制限を超えてしまいます。
ちょっと大げさにいうと痛み止めを打って傷んでいる部分の感覚を誤魔化して無理に動かしていることになります。当然、損傷した部位の治るのは遅くなってしまいます。結果的に湿布の効果が切れた時に前よりも強い痛みに襲われてしまうことになります。
皮膚や内臓への影響
湿布を張り続けると血流がおさえられ皮膚は酸欠状態になってしまいます。酸欠状態が続いた皮膚は黒ずんでしまい、湿布の形に跡がついてしまうことがあります。また血液は酸素と栄養以外にも熱を運び体温を維持、上昇するという働きもあります。体温が下がることは内臓の働きの低下にも繋がります。血管は全身を巡るので湿布を張った部分だけでなく全身にも影響を及ぼします。
湿布の効果的な使い方とは
さんざん湿布をディスってきましたが、もちろん湿布には有効な使い方がちゃんとあります。それは急性の怪我の時と我慢できないくらいの強い痛みが出ている時です。急性の怪我の時は内出血や炎症が出ているので血管を収縮させこれらをおさえる必要があります。炎症には患部に大量の血液と酸素を届ける作用がありますが、二次災害として周りの組織に広がってしまう性質もあるのでこれはおさえなくてはいけません。
また、我慢が出来ないくらいの強い痛みが出ている時にも痛みによるストレスや痛みの箇所をかばって筋バランスや代謝がくずれてしまうといったデメリットが起きてしまうので、これらの防止のためにも湿布の消炎鎮痛作用は有効です。
ただ、どちらの場合もですが湿布を張る期間は1週間くらいが期限です。ずっと使い続けていると先に述べたように皮膚や内臓などへの影響、また血管の継続した収縮は慢性痛を引き起こす原因になります。腫れや内出血がおさまったり我慢できないくらいの強い痛みが薄れてきたらそれ以上の使用は控えましょう。
まとめ
湿布は手軽で便利に痛みをおさえられるのですが「痛みをおさえる」目的には有効ですが「痛みを治す」目的に対しては有効ではありません。血管を収縮させることで痛みをおさえる反面で回復や治癒をおさえてしまうデメリットがあります。ちょっとアイシングのデメリットと似ていますね。
また鎮痛の成分が血流にのり患部以外の箇所の血管を狭くしてしまうリスクもあるので、湿布の使用は急性期の怪我に対する炎症止め、また我慢ができない強い痛み対しての一時的な痛み止めとして使うのが望ましいです。
何かの参考になりましたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!
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