怪我をした時やトレーニング後のクールダウンとしてアイシングをするのはトレーニングジムや部活動でも一般的だしよく見かける光景ですが、タイミングによってはデメリットになってしまうこともありますし、また絶対にしてはいけないタイミングというものというものがあります。
アイシングを正しく使うためにアイシングのデメリットと使ってはいけないタイミングについてお話していきます。
目次
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アイシングのデメリット
逆効果になるアイシング
アイシングが逆効果になってしまう場合は患部を冷やすことで炎症反応をおさえることにあります。炎症=悪者みたいなイメージがありますが、肉体の炎症反応はちゃんと必要性があって起きているので炎症反応には
- 炎症がマーカーになり患部に白血球が集まる
- 白血球が損傷した細胞を貧食して分解、除去してくれる
- 血流を促進して栄養を届け細胞の修復、成長をうながす
- 痛みは可動域の限界を知らせてくれるので、患部にさらなる負担をかけさせない
という意味があります。これをおさえてしまうことで、
- 筋肉の成長に悪影響をおよぼす
- 怪我の回復を遅らせる
- 痛みがなくなることで動きや練習量の制限がされなくなる
こういったマイナスの効果がでてしまいます。カラダに良かれと思ってやったアイシングがかえって逆効果になってしまうんですね。炎症反応は生体に本来備わっている自然治癒力なので、この反応をおさえてしまうことは回復力や成長力にマイナスに働いてしまいます。
効果的なアイシング
じゃあアイシングはデメリットだらけじゃん…と考えてしまいそうですが、それでもアイシングをすることには意味がありまして急性期の怪我に対しては鎮痛効果と炎症の拡大をおさえるという点で効果があります。また生体のホメオスタシス(体温などを一定に保とうとする働き)を利用して、アイシングで冷えた部分を温めようと患部に血液を集めさせる効果も期待ができます。
アイシングの時間や期間はだいたい10~20分でインターバルも15分くらいと言われていますが、これは怪我の程度や個人の代謝にもよるので詳しくは前回のブログをご覧ください。
絶対にアイシングをしてはいけないタイミング
急性期の怪我などに対しては有効に働くアイシングですが、絶対にしてはいけないタイミングというものがあります。それは運動前と運動中です。
運動前は通常ウォーミングアップをしてカラダを温めますよね?アイシングはこれと逆でカラダを冷やしてしまうので、スピードやパワーや動きの正確性を落としてしまいます。つまり逆ウォーミングアップ状態でパフォーマンスを下げてしまうんですね。アイシング後20分はパフォーマンスの減少が示唆されています。
また運動中のインターバルでアイシングをするのは部活動などでよく見かける光景ですが、これもNGタイミングでして前述のようにスピードや動きの正確性などパフォーマンスの低下、また痛みの感覚がマヒしたことにより怪我のリスクの増加が考えられます。
本来痛みは可動域や運動量への警告をしてくれているのに、そこにマスクをしてしまうことで安全弁が外れてしまうんですね。アイシングで痛みが一時的に引いたことでまた負荷を患部にかけてしまう行為は当然さらなる怪我を招いてしまいます。
まとめ
アイシングは炎症をおさえるという目的で色々な場面で使われることが多いのですが、炎症はカラダに備わっている自然治癒力なのでやみくもに使ってしまうとこの大事な自然治癒力をおさえてしまうことにも繋がります。
- 炎症反応は痛みを伴うが自然治癒力を引き出し筋肉の成長に貢献する
- アイシングは痛みをおさえるが怪我の回復を遅らせ筋肉の成長に悪影響をもたらす
炎症反応とそれをおさえるアイシング、どちらにも良い面とそうではない面があります。
個人的にですが炎症反応=スパルタな厳しい部活の顧問の先生でアイシング=優しい保健室の先生みたいなイメージを勝手にもっています(笑)スパルタだけでは生徒は疲れちゃうし優しさだけでも生徒は成長しない。両方の性質とメリットデメリットを理解した上で上手に使いこなせると双方の恩恵を受けることができます。
生体の自然治癒力をおさえすぎずに炎症をコントロールできれば最高ですよね。炎症とアイシングのそれぞれの性質を理解しつつ最適な使い方をしてあげましょう。
何かの参考になりましたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!
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